Aug 10, 2010

Clean Techイベント@San Francisco

Haasの卒業生がオーガナイズするClean Tech業界に関するイベントがSan Franciscoであり、参加してきた。

Clean Tech業界に特別な興味があるわけではないが、今後成長が期待されており、かつ世界全体へのインパクトが大きい業界のため、業界の現状を知っておくのもいいかと思い、夕方から同級生たちと電車に乗り、San Franciscoまで行くことにした。

ちょっと話がズレるが、こっちに来てから面白いなと思っていることの一つがGoogle groupを利用した情報交換の多さ。まだ学期が本格的には始まっておらず、全員と顔合わせる機会があるわけではないので、Google groupの投稿でまず名前を知り、実物に会ってから、「お前があのXXXか!」みたいな会話が起きたりもする。これはMBAに来るようなネットワーキング好きな学生の特徴なのか、240名しかいないHaasの特徴なのか分からないのだが、日本ではちょっと想像できない気安さで利用している。

たとえば、今日のイベントの前にも、「参加する人は一緒にいこうぜ」みたいな投稿があり、次々に「行く」、「私も」、「オレも」という投稿がなされる(みんながいちいちGoogle group全体に返信するので、しまいには「基本的には最初に投稿した人にだけ返信し、必要な場合だけGoogle groupへの返信にすべきでは?」という投稿が出た)。結果、SFまで同級生が仲良く電車に揺られていくことになる。みんな30歳前後だと思うのだが、仲良く集合して、移動するのは不思議な感じ。ただ、この密な関係があるおかげで、同級生と仲良くなり、英語を磨くことができるので非常に助かっている。とくに、今回のような小規模なグループだと、比較的まとまった時間を同じ人と話すことができ、関係を深めるにはいい機会だった。

話は元に戻るが、このイベントはPG&E(電力会社。エリンブロコビッチで訴えられて負けた会社。)がホストとなり、会場を提供している。6時に会場し、7時までは軽食をつまみながら、ネットワーキングの時間。7時から8時は、パネルディスカッション。8時から8時半は、パネラーへのQ&A。8時半から9時まで再び軽食をつまながらのネットワーキングの時間となる。

Googleのときもそうだったが、企業主催のネットワーキングイベントでもお酒が出るのが、面白い。こっちの人は酒強い人が多いから、ちょっとくらいじゃ顔にもでないし、こんなことが可能なんだろうか。

イベント全体としては、社交の場という位置づけが中心で、当初の目的である、業界の大局的な知見を得るという点はあまり達成できなかった。ただ、いくつか話を聞いていて面白いな思ったことがあるので、備忘のため列挙。

1.今Clean Techで熱い分野は、Energy efficiency、Lighting(ダイオードとか)、Smart grid、Solar。業界の知見がなさすぎて、それぞれの具体的な事業が想像できない・・・。

2.エネルギー産業のようにロビーイングが重要な業界においては、Start-upの企業にはできないので、業界全体のエクスポージャーをもっているVCがロビーイングをもっとすべきではないかという議論。これは、Clean Tech業界向けのWeb雑誌のようなものを作っているGreenTech Mediaの人からの指摘。パネリストにはVCの人もいたのだが、あまりロビーイングの話を表立ってしたくないのか、ロビーイングが話題になると渋い顔していた。

3.Clean Tech系Start-upで働く人が、業界で求められている人材として、Engineeringのバックグランドなどよりは、Clean Techに対する情熱、世の中にインパクトを与えたいという気持ちの大切さを説いていたこと。基本的な問題解決のスキルが必要で、必ずしも特有の知見が必要ではないらしい。ただ、業界として成長しているので、人材を集めるためのリップサービスの面もあるのかも。

4.エネルギー業界は規制産業だが、問題は規制や助成金があることではなく、規制や助成金の運用が将来的にどうなるかが読めないことだという指摘。ファイナンスする側としては、気になる点だなと思い聞いていた。

5.Opowerという会社。本社をワシントンDCに構える成長中の会社らしいのだが、その事業内容がユニーク。Cleat Tech系のソフトウェア会社というよく分からないもの。社員の人より聞いた話では、電力会社に向けて、契約者(つまり各家庭など電力のユーザー)の電力使用状況を解析するシステムを売っており、解析したデータを元に、契約者に向けて節電のためのTipsを配信することができ、Opowerを導入した電力会社が契約者1.5~3.5%の節電に成功しているらしい。Opowerの顧客である電力会社としては、CSR上は望ましいものの、売上の観点からはありがたくないのではなかろうか。不思議だ。

1 comment:

  1. Regarding #5: I understand why it would seem strange for a utility to pay money to Opower to help it sell LESS electricity. But utilities in California are "decoupled"; their profits are not directly tied to how much they sell, but rather to their ability to meet targets set by regulators. The utilities actually make a higher profit when energy conservation targets are met. See "decoupling plus" on wikipedia.

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