Sep 9, 2010

ヒューリスティックの罠

今日のLeading Peopleは非常に面白かった。

まず、下記リンクを見てほしい。

http://www.youtube.com/watch?v=voAntzB7EwE

僕が、このビデオを授業中に見せられたときは、カードのトリックを見破ろうとカードに集中しており、他の変化にはまったく気がつかなかった。その後の種明かしパートを見ながら、人間の認知(少なくとも僕の認知)は、本人の認識次第でこんなにも影響を受けるのかと驚いた。

今日のテーマは、ヒューリスティックに基づいて意思決定をするリスク。

要は、「人間はavailability heuristic、representative heuristic、confirmation heuristicがあるから、歪んだ意思決定をしないように、自分の意思決定の前提を疑いましょうね。事実をチェックしましょうね。他の人に批判してもらいましょうね。」という話なのだが、テーマの根幹であるヒューリスティックを認識させる過程が非常に面白いなと感じた。

上述のビデオを使った方法以外にも、事前にWebで妙な質問(例:aで始まる英語の単語は全単語のうち何%あるか?aが3番目にくる英単語は何%あるか?)に応え、その後でその回答とそれぞれの質問の背景にあるヒューリスティックの説明を知ることで、自分の意思決定がいかに歪んでいるかを体感できるように設計されている。

仮に今回の授業が、自分自身が歪んだ意思決定をしてしまうリスクがどれだけ高いかを認識せずに受けていたら、「へ~、たしかにそういうことあるよね、人間って」という当事者意識のない理解にとどまってように思う。一方で、今回のように自分自身がヒューリスティックの罠に陥っていることを認識した上で話を聞くと、「では、どう対応すべきか?」、「組織としてはどう対応すべきか?」という疑問が自然と湧き上がってきて、授業に積極的に参加する姿勢が自然と醸成される。

今日の授業では、残念ながら、ヒューリスティックの罠を避けるためにはどうすべきかという点にはあまり踏み込まなかったので、終了後、教授にその点を今後補強してほしいとリクエスト。内容が非常に面白いだけに、より実践的な内容になることを期待。

2 comments:

  1. ちょうど今読んでる本にヒューリスティックの事が書いてあったのでコメントします。
    「すぐれた意思決定」
    http://www.amazon.co.jp/dp/4122039614 
    まだ読んでいないので批評はかけませんがw

    ReplyDelete