Sep 30, 2010

Samsung Global Strategy Group

9月中旬より、企業がHaasにやってきて、説明会を積極的に開いているが、今日はSamsung Global Strategy Group(GSG)の企業説明会があった。

日本企業が国際的な地位落下に苦しむ中、近年急速に成長を遂げる韓国企業がどんなものかと思い、参加してきた。夜のプレゼンにも関わらず参加者が多いことにまずびっくりしたが、その後のプレゼンを見て、Samsungの戦略性の高さにさらに驚いた。

GSGとは、Samsungのインハウスコンサルティング部門のことで、Samsung内部からの異動組のみならず、韓国語を話せないMBA卒業生を積極的に採用し、グループ会社のかかえる問題解決にプロジェクトベースで取り組んでいる。

当日のプレゼンテーションが非常によく出来ていて、Samsung Groupの隠された魅力を巧みに伝えている。

初めて知ったのだが、Samsungは2009年実績でElectronicsメーカーとしては世界一の売上を誇っており(1,190億USドル)、ブランドバリューでもAppleやSonyを抜き世界19番目となっているらしい。さらに、Electronics以外の部門も世界レベルのものを抱えており、建設部門では、世界で最も高い建造物Top3(Burj Dubai、Taipei 101、Petronan Tower)の建設を行っており、造船業界でも世界1位となっている。尚、全てプレゼンテーションの数字をひっぱってきただけなので、売上の切り口が適切なのか(Electronics以外の数値が入っていないか)、ブランドバリューランキングとは何なのか、Burj Dubai、Taipei 101、Petronan Towerの建設においてどの程度の貢献をしているのか等は不明。

また、GSGのプログラムがよく練られており、MBA生の琴線に触れるような設計となっている(実際に、他の用事があるため途中で抜けると言っていた友人が、プレゼンに引き込まれ、最後まで残っていた)。卒業後数年はコンサルティングプロジェクトに関わりながら、実務経験を積み、多様なプロジェクトに参加できるという選択肢の広さ。さらには、その先にグローバルでトップを目指す企業の経営幹部になり、各地域のトップマネジメントを狙えるというキャリアプラン。報酬も高いとプレゼン中に明言しており、韓国勤務時には家や保険も手当てされ、初年度は母国に帰る航空券も用意するとのこと(別に母国に行かなくてもいいと言っていた)。

最後には、韓国という国のエキゾチックな魅力と生活のクオリティの高さをアピールし、プレゼンは終了。

その後に参加していた友人数名を軽く話をしたが、なかなかの好評価。個人的には、世界のトップ企業とはいえ、アジアに立地し、欧米とは異なる企業文化を有するというディスアドバンテージを埋め、世界のトップタレントをビジネススクールからとってくるために巧妙に設計されたプログラムという印象を受けた。Samsungおそるべし!!

Sep 29, 2010

カルチャーショック(スイカ編)


カルチャーショックとは、広辞苑によれば、「異文化に接したときに、慣習や考え方などの違いから受ける精神的な衝撃」らしい。

今日、僕が経験したことは、まさにカルチャーショックと呼ぶにふさわしいだろう。

と言っても、まったっくマジメな話ではない。

僕は、そもそもカルチャーショックに対する免疫は強い人間だと思っている。これは、子供のころに海外で過ごしたことがあるからという理由ではなく、周りの人のことを元々あまり気にしない性格だからに過ぎない。

しかしながら、今日の出来事にはびっくりした。

Social Impact Speaker Seriesでのこと。

授業が始まってしばらくすると、僕の前に座っていたJが、カバンからおもむろに、ビニール袋に入れられた半分に切ったスイカを取り出した。そして、こっちを振り返ってニコッと笑ったあと、フォークを使って豪快に食べだした。

これまでも授業中にご飯を食べるやつはいた。僕も食べている。

しかし、半分に切ったスイカを家から持ってきて、外部スピーカーの話を聞いている最中に食うやつがいるとは思いもしなかった(写真はその証拠。スイカは真ん中あたりに映っている。)。

アメリカのふところは広い。

リーダーとしての資質

久しぶりに授業の話。

Leading Peopleの今回のテーマは、リーダーに求められる資質についてだった。

まず、学期の最初のころに受けた(らしい)心理テスト(のようなものと推測。なにぶんテストをした記憶が薄く、どんなテストだったかは全然わからない。)の結果が配られた。

テスト結果は、以下の項目について、各人のスコアと全体の分布・平均を示している(和訳はニュアンス勝負の意訳)。

・Consideration:思いやり
・Initiating Structure:(人間関係、組織、問題解決を)構造化する傾向(この項目の意味がよく分からず)
・Life Orientation:楽観的/悲観的
・Dominance:自己主張の強さ
・Openness:好奇心の強さ、新しいものへの許容度
・Conscientiousness:誠実さ??
・Extraversion:外向性、社交性
・Agreeableness:愛想のよさ
・Neuroticism:精神的な安定度
・Over-Clainming Bias:知ったかぶりの程度

テストの結果が平均から乖離していた項目を見ると、僕は平均以上に楽観的で、自己主張が強く、誠実性に欠け、外交的で、精神的に安定しているらしい。どう好意的に見ても、いいやつとは思えない・・・。

この平均というのも曲者で、Haasの同級生の平均がベースになっている。恐らく自己主張が強く、外交的かつ楽観的と推測されるこの集団の平均から乖離しているというのはどういうことだろうか。あまり深く考えたくない。

また、誠実性の項目が平均より下なので、ちょっとへこんで、説明の詳細を読んでみると、「この項目が低い人は、非効率に働く傾向があり、しかしまた、のんびりしていて、成功に過度にこだわらない傾向があります」と書いてある。

はっきり言って、全然誠実性と関係ない。そして、意外に当たっている。

Sep 23, 2010

Berkeley のスーパー事情

今週は結構忙しく、買い物にも行けなかったが、無事今週の授業が終了したため(ビジネススクールは月~木までしか授業がなく、週休3日制。もう会社勤めなんて戻れない・・・)、近所のSafewayに行ってきた。

最近は基本的に朝食・晩飯を家で食べるようにしているのだが、今日は疲れたので手抜きをしようと思い、Safewayの中のデリに挑戦。手羽先を2個注文すると、おばちゃんが勝手に四つ入れてるので、「おいおい」と思ったら、「足りないでしょう。プレゼント。」と言い、なぜかオマケをしてくれた。

僕は、昔からなぜか知らない人から施しを受けることが多いのだが、サービスが悪いと言われるアメリカでもどうやら通用するようだ。そろそろ履歴書の特技の欄に追加してもいいのではなかろうか。ちなみに、もう一つの特技は、人に道を聞かれること。日本国内のみならず、フランスの田舎町、香港など、「なぜ僕を選んだんですか?」と聞きたくなるような土地においても、道を聞かれた実績がある。

本題。

Berkeleyにも日本同様に色々なスーパーがあるのだが、ちょっとずつその特徴がつかめてきたので、ご参考まで。

・Whole Foods:オーガニック系に強い高級スーパー。まだBerkeleyの店舗には行ったことがないが、NYで行った際には、お店の内装もきれいだし、商品もきれいだった気がする。

・Andoronico's:Whole Foodsに次ぐ高級スーパー。品揃えの特徴は不明。普通になんでもある印象。ネクタリン(桃みたいな果物)とベーグルを買ったことがあるが、どちらもおいしかった。

・Berkeley Bowl:これもオーガニック系と言われているスーパー。Whole Foodsよりは安いらしい。未開拓。

・Trader Joe's:最近非常に人気が高いと言われている、これまたオーガニック系スーパー。肉・野菜・冷凍食品・酒など、安いのに質がいいものが手に入るということで評判。

・Safeway:普通のスーパー。近所にあるので一番お世話になっている。端的に言うときれいじゃないAndoronico's。

・Target:大型のディスカウントストア。生鮮食品はほとんどないが、他は何でもある。牛乳にヨーグルト、電子レンジからUC Berkeleyのロゴ入りTシャツ、さらにはバランスボールまで、うちにあるものの多くはTargetにて購入。

・Costco:近所にあるらしいが、まだ会員になっていないため、行っておらず。安く大量に買う店という認識しかなかったが、実は食品の質が高いらしい。ヨーロッパ出身の友達が「Costocoのチーズは種類が多いし、うまい」と言っていたので、非常に気になっている。ただし、これをたとえばアメリカ人の友達が言っていたら、「うんうん、わかったわかった。君はCostcoのチーズで十分だね。」としか思わなかっただろう。バイアスというのは、本当に恐ろしい。

Sep 21, 2010

未知からの学びにオープンであること

Data and Decisionsにて回帰モデリングの話を聞きながら、これまでの仕事の経験を思い出し、事業分析やプロジェクションで使えそうだなと考えていた。

そこでふと気付いたのだが、僕は各授業からの学びを、これまでの経験に照らし合わせながら、仕事で使えるかどうかを値踏みし、重要度を評価している。これは、何かおかしいんじゃないか??

もともとビジネススクールに行こうと思った要因の一つには、金融という仕事を通じて得ることのできる知識が偏っていると感じ、将来的に経営に近い立場として事業を推進するためには、より広範な知識が必要だと考えたことがある。

それなのに、過去の経験から学びの価値を評価していては、未知の将来に備えるという観点からは、非常にもったいないんじゃないか。カリキュラムを組む側に好意的に考えれば、コア科目は将来経営する側にたった際に必要な知識を学んでもらうために、組まれているはず。

時間の制約や体力・気力の問題から、ついつい過去の経験という究めて限定的な情報に基づき優先順位をつけがちだが、もっと自分を鼓舞して、貪欲に学ばないといかんなぁと反省した。

Sep 17, 2010

中間試験

今週はなんと中間試験。

一年生の秋学期はFall AとFall Bに分かれているため、学校が始まって3週間しかたっていないのに、いきなり試験になる(4科目中2科目のみ)。

4年も働いた後に、中間試験と言われても、あまり気分も盛り上がらないが、周りのアメリカ人を見ると、「勉強しないと!」という雰囲気を醸し出している。「別に成績なんて、仕事するときには関係ないじゃん」と言ってみても、「それはそうだけど・・・」というリアクション。周囲の友達と話した印象に過ぎないが、International Studentsのほうがテストや成績に対するモチベーションが低く、アメリカ人のほうがやる気がある気がする。

とはいえ、あまりにまずい点数はとれないので、コリコリ復習。

これまでの授業の資料や読み物を見直してみると、当時(といっても、直近3週間以内だけど)は気づかなかった学びがある。働いた後も、たまにこうやってビジネススクールの資料を開いたりすると、また新たな気づきがありそうだが、そんな余裕はあるのだろうか。

Sep 11, 2010

夢のIn-N-Out Burger

アメリカに来て早一月半。ようやく憧れのIn-N-Out Burgerに行くことができた。

渡米後間もないころ、日本人同士でBBQをしているときに、In-N-Out Burgerが話題になり、まだ行ったことがないと言うと、「そんなんじゃ、カリフォルニアに住んでいるとは言えない」と断言されてしまった。

それ以来、In-N-Out Burgerに行くことは、大きな目標となった。


そして、その夢が今日ようやくかなった。


サーフィンの帰り、友達のY君につれられ、初In-N-Out Burger。
アメリカ人にも人気のようで中は満席。普段はレジの前に列ができているらしいが、今日は時間が早かったこともあり、2~3人並んでいるものの、長い列にはなっていなかった。

ちなみに、In-N-Out-Burgerの特徴は、

1.メニューが極端に少ない(普通のバーガー、チーズバーガー、Wバーガー、ポテト、飲み物)
2.具が新鮮(ex. フライドポテトが冷凍ではなく、お店でカットしたものをあげている)

なんと日本版WikiにもIn-N-Out Burgerが存在した。ファンが書いたのだろうか。

今日は、朝ごはんも食べずにサーフィンをしてお腹が減っていたため、Wバーガーのセットを注文。飲み物はシェイクも気になったのだが、ベタにファウンテン(自分で買ってに飲み物入れるところ、ファミレスのドリンクバー)からルートビアをとる。

味のほうは、バーガーは野菜が新鮮で、チーズの味もしっかりしており、正統派のおいしいバーガーという感じ。フレッシュなフライドポテトは、油がしつこくなく、パクパクいけてしまう。これならLargeでも食える。

Y君いわく、アメリカのハンバーガーチェーンはうまい順に、In-N-Out Burger→Jack In the Box→McDonald's→Burger Kingとのこと。

Jack In the Box、見かけたことはあるが、まだ行っていない・・・。
Taco Bellにも行かなければいけないし、In-N-Out Burgerの隣にあるKrispy Kreme Doughnutsも食べたい。

アメリカの食文化だって、なかなか侮れないのです。

Sep 9, 2010

ヒューリスティックの罠

今日のLeading Peopleは非常に面白かった。

まず、下記リンクを見てほしい。

http://www.youtube.com/watch?v=voAntzB7EwE

僕が、このビデオを授業中に見せられたときは、カードのトリックを見破ろうとカードに集中しており、他の変化にはまったく気がつかなかった。その後の種明かしパートを見ながら、人間の認知(少なくとも僕の認知)は、本人の認識次第でこんなにも影響を受けるのかと驚いた。

今日のテーマは、ヒューリスティックに基づいて意思決定をするリスク。

要は、「人間はavailability heuristic、representative heuristic、confirmation heuristicがあるから、歪んだ意思決定をしないように、自分の意思決定の前提を疑いましょうね。事実をチェックしましょうね。他の人に批判してもらいましょうね。」という話なのだが、テーマの根幹であるヒューリスティックを認識させる過程が非常に面白いなと感じた。

上述のビデオを使った方法以外にも、事前にWebで妙な質問(例:aで始まる英語の単語は全単語のうち何%あるか?aが3番目にくる英単語は何%あるか?)に応え、その後でその回答とそれぞれの質問の背景にあるヒューリスティックの説明を知ることで、自分の意思決定がいかに歪んでいるかを体感できるように設計されている。

仮に今回の授業が、自分自身が歪んだ意思決定をしてしまうリスクがどれだけ高いかを認識せずに受けていたら、「へ~、たしかにそういうことあるよね、人間って」という当事者意識のない理解にとどまってように思う。一方で、今回のように自分自身がヒューリスティックの罠に陥っていることを認識した上で話を聞くと、「では、どう対応すべきか?」、「組織としてはどう対応すべきか?」という疑問が自然と湧き上がってきて、授業に積極的に参加する姿勢が自然と醸成される。

今日の授業では、残念ながら、ヒューリスティックの罠を避けるためにはどうすべきかという点にはあまり踏み込まなかったので、終了後、教授にその点を今後補強してほしいとリクエスト。内容が非常に面白いだけに、より実践的な内容になることを期待。

Sep 8, 2010

Social Impact Speaker Series

基本的に必修科目中心になってしまう1年目の秋学期において、唯一自由に選択できるのがSpeaker Seriesとよばれる授業。この授業は、Haasの学生が運営しており、今期は13種類の異なるテーマのSpeaker Seriesが提供されている(授業一覧の中のMBA294という名前のものが全てSpeaker Series)。

各回、テーマに沿った実務家のスピーカーが来てくれ、履修する学生は話を聞くだけの授業なのだが、各人が興味のある業界やテーマを選び、そこで現在何が起きており、どのような人が、どのような思いで働いているのかを知ることができる機会となっている(さらに出席するだけで単位ももらえる)。

僕は、「Life as Entrepreneur」と「Social Impact Speaker Series」で悩んだが、結局「Social Impact Speaker Series」を履修することにした。これまで積極的に関わったことがない分野だが、今後日本においてもNot for Profit sectorの重要性は増すと感じており、Not for Profit sectorの進んでいるBay Areaにて知見を深めることで、自分の考えにどのようなインパクトがあるのか非常に楽しみ。

Sep 1, 2010

Data and Decisions/Economic Analysis for Business Decision

ちょっと前にLeading PeopleとProblem Finding Problem Solvingについて書いたので、残り二つの授業についても書きたいと思う。

まず、Haasの1年目秋学期(8月末~12月初旬)は、Fall AとFall Bに分かれており、Fall Aでは、上述二つの授業の他に、Data and Decisions、Economic Analysis for Business Decisionを必修科目として履修することになる。Fall Bでは、Finance、Accounting、Marketing、Communication(全て正式なクラス名は不明)が必修となる。Problem Finding Problem Solving、Communicationを除いて、全ての授業は週に二回あり、1年目の秋学期は、必修科目中心の生活となる。

Data and Decisions
いわゆる、統計学の授業。

僕は文系かつ不真面目な学生だったので、統計なんて完全に記憶の彼方。
ただ、LBS卒の先輩が「ビジネススクールで学んだ中で一番良かったのは、統計をきちんと学び直したこと」と言っており、僕自身も仕事で企業分析をする際に、統計的な考えを用いれば、より精緻なプロジェクションができると感じていたこともあって、モチベーションは高い。

内容は、信頼区間や偏差値など、これまでの学生生活のどこかでお世話になったと思われる概念が多いのだが、それらの概念をいかにビジネスに応用するかという問題の設定が巧みなため、テストのための暗記に陥ることなく、興味を持ちながら学べている。工場の品質検査の考え方を学ぶことで、僕の将来にどう活きるのかは正直疑問ではあるが、ビジネスの裏側で回っているロジックを学ぶのは純粋に楽しい。

また、これまでなんとなく分かったフリをしていたマーケティングリサーチの考え方や初めて知る医薬品の効果の測定方法など、論理と実例をセットで学んでいくと、これまでは無味乾燥に見えていた統計学が非常に身近で楽しいものに感じられる。

Economic Analysis for Business Decision
こっちは、ミクロ経済の授業。実際のビジネスの場において、ミクロ経済のツールを用いて、どのようにして意思決定をするかということがテーマになっている。

初回の授業は、需給曲線の話をされて、同級生とつまらなすぎるとブツブツ言っていたが、回を追うごとに内容が面白くなり、最近は授業ごとに新たな学びがある。Decision Treeや最適価格設定の考え方などは、これまで仕事で使っていた知識ではあるものの、きちんと整理して学ぶことで、これまで理解していた以上に汎用性のあるフレームワークだと考えるようになった。

ただ、こういった考え方を2年後に卒業するころまで覚えているのか、その点は疑問。

また、費用対効果というドライな話をすると、どちらの授業も一人で教科書を買って読めば十分であるが、僕の場合は必修になっていなかったら、ちゃんと学ばなかった自信があり、仮になぜか思い立って独学で始めても、すぐに挫折していた自信もばっちりあるので、両科目とも必修にあることに満足している。